ピラティスの「ニュートラルポジション」って? 基本のポジションにはうれしい効果が!
ピラティスのレッスンを受ける時に重要なのは、骨盤の”ニュートラルポジション”です。骨盤の”ニュートラルポジション”を意識するところからピラティスレッスンははじまります。でも、レッスン中にインストラクターから、「骨盤をニュートラルに!」といわれたときに、「ニュートラルがわからない……」「ニュートラルができない。」と思われている方も多いのではないでしょうか?これではピラティスレッスンを受けているのに効果を実感できないことも。ピラティスの第一歩はニュートラルからはじまるといっても過言ではありません。今回は、ピラティスに興味・関心がある皆さんや実際にレッスンを受けている方に、骨盤のニュートラルについての情報をお届けしたいと思います。皆さんは、ニュートラルポジションについてどの程度ご存じでしょうか?骨盤のニュートラルポジションを知れば、ピラティスをやってみたい!という気持ちになるはずです。そこで今回は、ピラティスをおこなう上での基本のポジション「骨盤のニュートラル」についてご説明いたします。

この記事の目次
・ピラティスのニュートラルとは?
・ニュートラルポジションの効果とは?
・ニュートラルポジションは難しい?
・ニュートラルポジションを「難しい」と感じている人がよくやるミス
・ニュートラルポジションを感覚でつかむための練習法
・ニュートラルポジションに「センス」は必要?できないと感じる人へ
・ニュートラルポジションが身につくと、体はどう変わる?
・ニュートラルポジションに関するよくある質問(FAQ)
・まとめ
ピラティスのニュートラルとは?
ピラティスのニュートラルについてご説明する前に……英語の”neutral(ニュートラル)”について知っておきましょう。
“neutral(ニュートラル)”にはいくつかの意味がありますが、ピラティスのニュートラルは「中間的な」という意味にあてはまります。では、ニュートラルでは「なにが」中間的なのでしょうか? ピラティスにとってのニュートラルとは「骨盤が」安定する正しいポジションのことを指します。ご存知の通り、背骨は、骨盤を土台に頭までS字カーブを描きながら一直線に連なっています。骨盤がニュートラルの状態で安定していると、背骨がまっすぐに伸び、背骨の近くにあるインナーマッスル(=体幹)が動かしやすくなります。骨盤が正しい位置にないと、背骨の配置やバランスが悪くなり、同時に筋肉のバランスも崩れやすくなってしまいます。筋肉が、ある部分では緩んでしまったり、伸びてしまったり、逆に縮んでしまったりと正しく筋肉を動かしずらくなってしまうのです。結果的には、骨盤のゆがみが身体の左右均等なバランスを崩してしまうことも。ピラティスレッスンでは、インナーマッスルを鍛えることを目的としています。骨盤がニュートラルな状態でピラティスを行わなければ、ピラティスの正しい効果が得られないといっても過言ではありません。だからこそ、ピラティスにおいては、骨盤のニュートラルが「基本のポジション」だといわれています。スタジオのレッスンでニュートラルポジションの確認と呼吸法(胸式呼吸)からはじまるのも、すべてはこれからはじまるピラティスのポーズの効果を最大限に実感してもらうためなんですね。
ニュートラルポジションの効果とは?
ピラティスでは、骨盤がニュートラルポジションでポーズをおこなわなければその効果が得られない……とご説明させていただきました。では、どうしてニュートラルポジションでなければいけないのでしょうか。ニュートラルポジションの効果について、さらにくわしくみていきましょう。
腰部への負担を軽減する
ピラティスのきっかけが美容・健康ではなく腰痛改善……だったという方も珍しいことではありません。日本人の約8割が一生の中で一度は、腰痛になるといわれています。これからピラティスをはじめようかな? と思っている皆さんの中にも、腰痛のお悩みがある方も多いのではないでしょうか。ピラティスが腰痛に効果があるといわれているのは、腰部に負担をかけずに、腰を強化する腹筋のインナーマッスルを鍛えることができるためです。腰部に負担をかけずにピラティスを行うためには、実はニュートラルポジションが重要になってきます。腰部に負担をかける姿勢は、骨盤が「後傾」したり「前傾」することで引き起こされます。よって、骨盤がニュートラルな状態だと、背骨が正しい位置に置かれ、腰部の負担が軽くなるのです。また、骨盤がニュートラルな状態で、背骨や腹筋のインナーマッスル(=体幹)を鍛えれば、筋肉が腰骨を守ってくれるので、更に腰部の負担を軽くすることができるのです。
インナーマッスルが鍛えやすい
ピラティスでは、インナーマッスル(=体幹)を鍛えることが大きな目的のひとつです。インナーマッスルを効果的に鍛えるためには、ニュートラルポジションの状態は、最適なポジションということができます。骨盤が正しい位置にある状態で、胸式呼吸で腹横筋に圧力をかけてピラティスを行うと、腰椎が伸び、腰部への負担が軽減することはもちろん、腹横筋を収縮させることで、身体の中心である丹田が安定します。それにより、よりダイナミックなポーズも可能となるので、腸腰筋や肩甲帯付近など腹筋以外のインナーマッスルも効果的に鍛えることができるようなります。
ニュートラルポジションは難しい?
ピラティスは立った状態や座った状態、寝た状態など様々な状態でポースをおこないますが、いずれの状態でも、ニュートラルポジションを意識しなければなりません。
体勢が変わっても、ニュートラルポジションを意識するのはとても難しいことです。まずは、仰向けの状態や座った状態でニュートラルポジションを確認し、感覚をつかんでみることをおすすめします。
仰向けのニュートラルポジション

仰向けになって、両ひざを立て坐骨幅(こぶし一個分程度)に足幅をとります。お腹の上に両手を置き、親指と親指、人差し指と人差し指を合わせ三角形を作ります。ちょうど、手首が骨盤の左右の出っ張りの上に重なります。そのでっぱりを上前腸骨棘といいます。人差し指が置かれる場所にあるのが恥骨です。まずは、ご自分の手が床と並行になっているか確認してみましょう。床と手のひらで作った三角形が平行になる場所が、骨盤のニュートラルな位置になります。
座位のニュートラルポジション

座位のほうが感覚がつかみやすいかもしれません。あぐら座もしくは、体育座りになった時、お尻の骨が床にあたります。この骨を座骨といいます。座骨を床に垂直にさすイメージで座ってみましょう。この状態が、座った時に骨盤が垂直立っている状態です。もしくは、膝立ちになり、股関節の前側を軽く伸ばします。この状態が骨盤のニュートラルな状態となります。骨盤がニュートラルだと自然に背筋がまっすぐになるはずです。背筋が伸びると、お腹の中のインナーマッスルがなんとなく働いているような感覚がありませんか? ひとりで挑戦するのはちょっと難しいかもしれませんが、これが骨盤のニュートラルポジションの状態となります。
ニュートラルポジションを「難しい」と感じている人がよくやるミス

ニュートラルポジションはシンプルな姿勢のように見えて、実はとても繊細な感覚が求められます。
「何度やっても正解が分からない」「これで合っているのか不安」という声が多いのもそのためです。
ここでは、ニュートラルポジションを難しくしてしまっている“よくあるミス”を紹介します。
① 背中を床に押し付けすぎている
よくあるのが「腰を床にピタッとつければ正解」と思い込んでしまうことです。しかし、背骨には本来ゆるやかなS字カーブがあります。ニュートラルポジションでは、この自然なカーブを保つことが大切です。
腰を完全に押しつけてしまうと、骨盤は後傾し、腹筋ではなく表層の筋肉に力が入りやすくなります。結果として、インナーマッスルがうまく働かず「きついのに効いている感じがしない」状態になってしまいます。
② 逆に反り腰になってしまっている
「アーチを作らなきゃ」と意識しすぎて、腰を反らせすぎてしまうケースもあります。これは骨盤が前傾しすぎた状態で、腰椎に負担がかかりやすくなります。
特に普段から反り腰気味の人は、自分ではニュートラルのつもりでも、実際は前傾が強いことが少なくありません。そのままエクササイズを行うと、腰に違和感が出る原因にもなります。
③ お腹を「固める」ことで安定させようとしている
体幹を使う=強く締める、と考えてしまうのも典型的なミスです。ニュートラルポジションでは、腹横筋をはじめとするインナーマッスルがじわっと働く状態が理想です。
力んでお腹を固めてしまうと、呼吸が浅くなり、胸や肩に余計な力が入ります。ピラティスの基本である胸式呼吸ができなくなり、結果として姿勢が安定しにくくなってしまいます。
④ 正解を「形」だけで判断している
鏡に映る姿や見た目だけで判断しようとすると、感覚が置き去りになりがちです。ニュートラルポジションは、見た目の美しさだけでなく、「骨盤が安定している感覚」「呼吸がしやすい状態」であることが重要です。
外から見て整っていても、本人の中で不安定であれば、それは本当のニュートラルとは言えません。
ニュートラルポジションを感覚でつかむための練習法

ニュートラルポジションは、頭で理解するだけではなかなか身につきません。大切なのは、「正しい形」を探すことよりも、「心地よく安定する感覚」に気づくことです。
ここでは、初心者でも取り組みやすい練習法を紹介します。
① 仰向けで骨盤を前後にゆらしてみる
まずは仰向けになり、膝を立てた状態で寝ます。そこから骨盤をゆっくり前傾・後傾させてみましょう。
- 腰を床に押しつける
- 腰と床の隙間を少し広げる
この動きを何度か繰り返します。
その中間で、「腰がラクで呼吸がしやすい位置」を探します。力まず、自然にお腹がふわっと働いている感覚があれば、それがニュートラルに近い状態です。
ポイントは、正解を作ろうとしないこと。ちょうどいい真ん中を体に探させるイメージです。
② 手で骨盤の高さを確認する
骨盤の左右の出っ張り(上前腸骨棘)に手を当ててみましょう。仰向けの場合、この左右の高さが床と平行に近い状態が目安になります。
前傾しすぎると前側が下がり、後傾しすぎると前側が上がります。
視覚よりも、手の感覚で確認することで、微妙なズレに気づきやすくなります。
③ 呼吸が楽に入るかをチェックする
ニュートラルポジションの大きなヒントは「呼吸」です。
正しい位置に近づくほど、胸式呼吸がスムーズに入り、肋骨が横に広がる感覚が出てきます。逆に
- お腹を固めすぎている
- 腰を反らせすぎている
こういった状態では、呼吸が浅くなります。呼吸がしやすい=体幹が自然に働いているサイン。感覚をつかむための、もっとも分かりやすい指標です。
④ 日常姿勢で「思い出す」練習をする
仰向けでできても、立つと崩れる人は多いです。
そこで日常の中で思い出すことも大切です。
- 歯磨き中
- デスクワーク中
- 電車で立っているとき
「今、骨盤どうなってる?」と一瞬意識するだけでOKです。完璧に保とうとしなくても問題ありません。思い出す回数が増えるほど、体は少しずつ正しい位置を学習していきます。
ニュートラルポジションに「センス」は必要?できないと感じる人へ

ニュートラルポジションがうまく取れないと、「自分には向いていないのでは?」と不安になる人は少なくありません。
- 何度やっても正解が分からない
- 周りはできているように見える
- インストラクターの説明が抽象的に感じる
このような経験があると、「努力の問題ではなく、センスなのでは?」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、結論から言えば、ニュートラルポジションに特別なセンスは必要ありません。
できないのは「才能不足」ではなく「クセの影響」
私たちの体には、長年の生活習慣で作られたクセがあります。
- デスクワークによる骨盤後傾
- ヒールや反り腰による前傾
- 腹筋をうまく使えない姿勢パターン
これらが積み重なり、本来のニュートラルな位置が分からなくなっているだけなのです。つまり、「できない」のではなく、
「今は思い出せていない」状態と表現した方がよいでしょう。つまりこれは能力ではなく、学習の問題です。
感覚は、練習で必ず育つ
ピラティスは筋力トレーニングというより、「神経系のトレーニング」に近い側面があります。最初は分からなくて当然です。むしろ、すぐに分かったつもりになっている方が危険な場合もあります。
繰り返し動き、呼吸し、微調整を重ねることで、体は少しずつ正しい位置を学習します。これは努力というより、積み重ねです。
「できない時期」がある人ほど、伸びる
実は、最初に苦戦した人ほど、感覚をつかんだときの安定感は強くなります。なぜなら、なんとなくできた人よりも、試行錯誤を重ねた人の方が、体の理解が深いからです。
ニュートラルポジションは才能テストではありません。体と向き合うプロセスそのものです。
ニュートラルポジションが身につくと、体はどう変わる?

ニュートラルポジションは単なる姿勢の正解ではありません。
体の「土台」が整うことで、動き・呼吸・疲れ方まで変わっていきます。ここでは、その未来を具体的にイメージしてみましょう。
① 腰や首の「なんとなく不調」が少しずつ軽くなる
ニュートラルポジションが安定すると、骨盤と背骨の自然なS字カーブが保たれやすくなります。その結果、腰椎や頸椎への局所的な負担が減り、慢性的な張りや重だるさが軽減されていきます。
特徴的なのは、「劇的に治る」というよりも、「気づけばラクになっている」という変化であること。朝起きたときの腰の違和感や、長時間のデスクワーク後の首の重さが和らぐなど、日常の小さなストレスが確実に減っていきます。
これは筋力だけでなく、骨格のポジションが整ったことで、体が無理なく支えられるようになった証拠です。
② お腹まわりが頑張らなくても引き締まりやすくなる
ニュートラルが取れるようになると、腹横筋や骨盤底筋といったインナーマッスルが自然に働きやすくなります。無理にお腹をへこませたり、力んだりしなくても、内側からじわっと支えられている感覚が生まれます。
その結果、下腹部のぽっこり感が目立ちにくくなり、立ち姿や横から見たシルエットがすっきりしてきます。「筋トレを頑張ったから引き締まる」のではなく、「正しいポジションに戻ったから余計な緊張が減る」という変化であることが重要です。
姿勢が整うことで、見た目そのものの印象が変わっていきます。
③ エクササイズの質が一段階上がる
ニュートラルが安定すると、腕や脚の動きが体幹からコントロールできるようになります。今まできついだけだった動きが、「どこに効いているのか分かる動き」に変わります。
例えばレッグリフトやロールアップでも、腰に負担をかけるのではなく、腹部からコントロールしている感覚が明確になります。この変化が起きると、同じ種目でも負荷の感じ方がまったく違ってきます
。回数をこなすエクササイズから、質を高めるエクササイズへ。ニュートラルポジションは、その分岐点になります。
④ 日常の姿勢や動きが自然と変わる
最も大きな変化は、レッスン外の時間に現れます。長時間座っても姿勢が崩れにくくなり、立っているときに片脚へ体重を乗せ続けるクセが減ります。歩行時のブレも少なくなり、動きに安定感が出てきます。
これは意識して頑張っている状態ではなく、体が正しいポジションを覚えた状態です。つまり、トレーニングの成果が日常に持ち越されるようになります。
ニュートラルポジションは、一瞬の姿勢ではなく、体の使い方そのものを更新する土台なのです。
ニュートラルポジションに関するよくある質問(FAQ)

ここまで読んで、「まだ少し不安が残る」「自分の場合はどうなんだろう?」と感じている方もいるかもしれません。ニュートラルポジションは、頭で理解するだけではなく、体の感覚として落とし込んでいくものです。ここでは、レッスン現場でもよく聞かれる疑問にお答えします。
Q1. ニュートラルポジションがどうしても分かりません。本当に合っていますか?
A:分からないと感じるのは、とても自然なことです。ニュートラルポジションは「形」ではなく「感覚」に近いものなので、最初は正解が曖昧に感じやすいのです。大切なのは、腰が楽で呼吸がしやすく、お腹が自然に支えられている感覚があるかどうか。完璧を目指す必要はありません。繰り返し練習する中で、少しずつ「これかもしれない」という感覚が明確になっていきます。不安が強い場合は、専門家に一度チェックしてもらうだけでも安心感は大きく変わります。
Q2. ニュートラルポジションができないと、ピラティスの効果は出ませんか?
A:できないからといって、まったく効果が出ないわけではありません。ただし、ニュートラルが安定している方が、体幹の筋肉が正しく働きやすくなり、エクササイズの質は確実に高まります。逆にポジションが崩れたままだと、表層の筋肉に頼った動きになりやすく、腰や首に負担がかかることもあります。焦らず、ポジションを整える練習を続けることが、結果的に近道になります。
Q3. どのくらい練習すれば身につきますか?
A:個人差はありますが、週1回のレッスンを継続し、自宅でも少し意識する時間を持てば、1〜2ヶ月ほどで感覚がつかめてくる人が多いです。ただし、長年の姿勢のクセが強い場合は、もう少し時間がかかることもあります。重要なのは「できる・できない」で判断するのではなく、「少しずつ安定しているか」に目を向けること。体は確実に学習していきます。
Q4. グループレッスンでもニュートラルポジションは身につきますか?
A:グループレッスンでも感覚をつかむことは可能です。ただし、ニュートラルポジションはミリ単位の微調整が必要になるため、自分では気づきにくいズレが残ることもあります。特に「合っているのか不安」「何度やっても分からない」という人は、短期間だけでもマンツーマンで確認してもらうことで、一気に理解が深まるケースも少なくありません。
まとめ
日常生活では日ごろのクセが出てしまい、意識しにくいのがニュートラルポジション。ピラティスをきっかけに、意識できるようになると姿勢もとたんに改善されるはずです。ピラティスの基本中の基本。だからこそ、難しい? ニュートラルポジションは、自己流だとなかなかみつかりません。一番の早道は、スタジオでインストラクターに教えてもらうことです。インストラクターから解説してもらいながら、実際に動いていけば、すぐにその”感覚”をつかめるようになるはずです。K Village Pilatesのインストラクターは、全員、ピラティスの国際団体の資格をもったプロ中のプロです。是非、正しいニュートラルポジションを理解して、美しい姿勢になりませんか?スタジオでは、体験レッスンをおこなっています。まずは体験レッスンで、ニュートラルの感覚をつかんでみましょう!



